深読み解説

相国寺に伝わる茶道具の全貌をみる〜「禅寺の茶の湯」展

相国寺に伝わる茶道具の全貌をみる〜「禅寺の茶の湯」展

京都の相国寺承天閣(じょうてんかく)美術館において、「禅寺の茶の湯」展がスタートした。今展では、国宝1件、重要文化財6件をはじめ、茶会記に載る什物や茶道具の名品約200点を、初公開作品も含め紹介するという大規模な企画で、足かけ5ヶ月にわたるロングランの展覧会となっている。ここでは、相国寺になぜこのような茶道具の名品が集まっているのか、禅寺と茶の湯の深い関係をカンタンに振り返ってみたい。

相国寺に伝わる茶道具の全貌をみる〜「禅寺の茶の湯」展

京都の相国寺承天閣(じょうてんかく)美術館において、「禅寺の茶の湯」展がスタートした。今展では、国宝1件、重要文化財6件をはじめ、茶会記に載る什物や茶道具の名品約200点を、初公開作品も含め紹介するという大規模な企画で、足かけ5ヶ月にわたるロングランの展覧会となっている。ここでは、相国寺になぜこのような茶道具の名品が集まっているのか、禅寺と茶の湯の深い関係をカンタンに振り返ってみたい。

最大60センチ超え! 大皿ばかりのユニークな古伊万里(有田焼)コレクションをみる

最大60センチ超え! 大皿ばかりのユニークな古伊万里(有田焼)コレクションをみる

染付牡丹格子文大皿 肥前 有田 1780~1820 年代  佐賀県立九州陶磁文化館所蔵 瀬川竹生コレクション   佐賀県にある九州陶磁文化館では、 故瀬川竹生(せがわたけお)氏が蒐集した超大皿100枚が寄贈されたことを記念し、古伊万里(有田焼)大皿の魅力を紹介する特別企画展を開催する。寄贈された大皿はいずれも30cmを超え、最大で66cmをほこる迫力満点のコレクション。 染付山姥金太郎文大皿 肥前 有田 1800~1840 年代  佐賀県立九州陶磁文化館所蔵 瀬川竹生コレクション   100枚の大皿には、歌麿や広重の浮世絵をはじめ、東海道五十三次、金太郎、浦島太郎、蜃気楼、名酒の樽、鯉の滝登りなど、時代を反映する様々なテーマが生き生きと描かれ、ダイナミックな画力に圧倒されることだろう。構図や文様の面白さ、絵付け職人の技術の高さなど大皿の魅力が詰まった展覧会となっている。     食品サンプルを用い唐津くんちの宴席をイメージした大皿の展示画像 九州陶磁文化館 有田大皿豆知識 宴の大皿で展示    こうした古伊万里(有田焼)の大皿は宴の中心に据えられ、その大皿を囲んで人々が集い、絆をつないできたもの。日本の食文化を豊かに発展させた象徴とも言うべき存在ともいえる。   『目の眼』2021年8月号 特集〈伊万里の絵心〉 デジタルプラン会員の方は目の眼デジタルコレクションでご覧ください 『目の眼』では、2019年にまだお元気だった瀬川竹生さんを取材しており、その時にたくさんの超大皿たちを特集として紹介させていただいた(2019年8月号)。   取材当時の瀬川さんは、がっしりとした体格で背も高く、とても80代とは思えないほど壮健な方だった。戦後すぐに航空業界に入り、草創期の国際線のパーサーとして活躍。多くの日本人にとって海外旅行が難しかった時代に、世界中の都市を仕事で訪れたという。そのときヨーロッパの街角のアンティークショップで見つけたのが古伊万里のうつわ。ここではその当時の様子と、大皿コレクションができるまでの貴重なインタビューをあらためて紹介する。   ---------------------------------------...

最大60センチ超え! 大皿ばかりのユニークな古伊万里(有田焼)コレクションをみる

染付牡丹格子文大皿 肥前 有田 1780~1820 年代  佐賀県立九州陶磁文化館所蔵 瀬川竹生コレクション   佐賀県にある九州陶磁文化館では、 故瀬川竹生(せがわたけお)氏が蒐集した超大皿100枚が寄贈されたことを記念し、古伊万里(有田焼)大皿の魅力を紹介する特別企画展を開催する。寄贈された大皿はいずれも30cmを超え、最大で66cmをほこる迫力満点のコレクション。 染付山姥金太郎文大皿 肥前 有田 1800~1840 年代  佐賀県立九州陶磁文化館所蔵 瀬川竹生コレクション   100枚の大皿には、歌麿や広重の浮世絵をはじめ、東海道五十三次、金太郎、浦島太郎、蜃気楼、名酒の樽、鯉の滝登りなど、時代を反映する様々なテーマが生き生きと描かれ、ダイナミックな画力に圧倒されることだろう。構図や文様の面白さ、絵付け職人の技術の高さなど大皿の魅力が詰まった展覧会となっている。     食品サンプルを用い唐津くんちの宴席をイメージした大皿の展示画像 九州陶磁文化館 有田大皿豆知識 宴の大皿で展示    こうした古伊万里(有田焼)の大皿は宴の中心に据えられ、その大皿を囲んで人々が集い、絆をつないできたもの。日本の食文化を豊かに発展させた象徴とも言うべき存在ともいえる。   『目の眼』2021年8月号 特集〈伊万里の絵心〉 デジタルプラン会員の方は目の眼デジタルコレクションでご覧ください 『目の眼』では、2019年にまだお元気だった瀬川竹生さんを取材しており、その時にたくさんの超大皿たちを特集として紹介させていただいた(2019年8月号)。   取材当時の瀬川さんは、がっしりとした体格で背も高く、とても80代とは思えないほど壮健な方だった。戦後すぐに航空業界に入り、草創期の国際線のパーサーとして活躍。多くの日本人にとって海外旅行が難しかった時代に、世界中の都市を仕事で訪れたという。そのときヨーロッパの街角のアンティークショップで見つけたのが古伊万里のうつわ。ここではその当時の様子と、大皿コレクションができるまでの貴重なインタビューをあらためて紹介する。   ---------------------------------------...

富小路やま岸蒐蔵古陶磁名品選

京都に生きる「現代最後の文人」との貴重な対談

“超絶予約困難店”と呼ばれる大人気京料理店「富小路やま岸」の主人・山岸隆博氏が蒐集した「最高の料理を載せるための最高のうつわ」たちをまとめた1冊「富小路やま岸 蒐蔵古陶磁名品選」。話題の豪華本の読みどころと、巻末に収録された加藤静允さんとのスペシャル対談が実に貴重な記録となっていますので、その一部を紹介します。

京都に生きる「現代最後の文人」との貴重な対談

“超絶予約困難店”と呼ばれる大人気京料理店「富小路やま岸」の主人・山岸隆博氏が蒐集した「最高の料理を載せるための最高のうつわ」たちをまとめた1冊「富小路やま岸 蒐蔵古陶磁名品選」。話題の豪華本の読みどころと、巻末に収録された加藤静允さんとのスペシャル対談が実に貴重な記録となっていますので、その一部を紹介します。

大阪東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈 / 安宅コレクション) 写真:西川茂

事業と美で大阪を支えた人たちの足跡

幕末から明治にかけて関西から日本の経済と美術界を支え、東京以上の規模と密度を誇った大阪の近代数寄者たち。そんな近代数寄者たちによる、近代大阪を舞台に形成されたユニークなアートコレクションの概要を大阪市立東洋陶磁美術館の館長に就任した守屋雅史さんに解説していただいた。

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