第六回 Z世代の骨董 清水喜守

第六回 Z世代の骨董 清水喜守

◎ 清水喜守さんの「Z世代の骨董ビギナーズガイド」掲載リスト

 

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「ま、28のインスタみたいな感じでよければやってみましょうか」と、軽いノリで始まったこの連載ですが、実は「Z世代」という言葉は目の眼さんから提案していただいたという事もあり、この第六話までコンテンツに絡める事を失念しておりました。

 

一般的に、Z世代(1995年〜2015年生まれ)は、現時点で十代から二十代後半ですね。僕は83年生まれですから、その手前のミレニアル世代(1980〜1995年生まれ)の中でもちょっと年長。つまりギリギリ自分の子供でもおかしくない歳の人がZ世代には含まれるわけです。僕らと何が違うって、彼らは生まれたときからインターネットやスマホに親しみ、情報収集の手段としてすでにgoogleも使わず、様々なSNSが中心なんです。

 

さて、骨董界においてもここ十数年で一番変わったのはスマホの活用、そしてSNS時代の到来でしょう。しかしそれらはあくまでもツールで、本当の新しい風は、SNSで育ち、これまでに存在しなかった感覚を持つ「Z世代の人たちそのもの」なんですよね。

 

超個性派とも言えるぐらい多様性を尊重しながら自分らしさを貫くのは、僕らの世代とは全く違う感じがします。ソースが異なるため経験値も知識も豊富で、型にハマった考え方も少なめ。社会の歯車になるよりは、周囲を自分に合わせてカスタマイズしていく印象です。ですから環境に対しての意識も高め。それは僕自身が留学時代にイギリスで憧れた人々の生き方、考え方に少し共通する部分があり、単純にカッコイイなと思います。ですからまず何よりも、Z世代(アメリカ発の時代区分)というチープな言葉で括られるのが大嫌いだったりするのではないかと今更ながら気がつきました。もし不快な思いをされていたら謝ります。ゴメンナサイ。(とはいえ流石にもうタイトルは変えられませんが……笑)せっかくなので、この「デジタル・ネイティヴ世代(Z世代 )」の方々にも多少は参考にしていただけそうな情報を少し。

 

骨董にはオンラインでAにまとめてもらって得られる情報とそれが困難な情報とがあります。まさに、この見極めが大事なポイントになってきます。

 

例えば真贋に関する知識。これは情報収集がガチで困難。何が正解か分かりにくい上に、言葉で説明できてしまうようなポイントは贋作者が克服できる場合が多く、参考程度にしかなりません。また、情報を流せば流すほど贋作のレベルが上がってしまうという厳しい現実があります。

 

以前世界的某オークション会社が贋物についてのレクチャーを香港で開催した際に、会場に沢山の贋作者が来て熱心に勉強して帰ってしまったという事がありました。それ以来、こうしたレクチャーは一切禁止になったみたいな話を聞いた事があります。泥棒に侵入方法を教えるようなもんですね。こうなるとそもそもあまり共有しない方が良い情報だという考え方もできるのです。

 

ですから骨董の真贋や価値に関しては、その分野に精通したプロの知識や第六感に任せるのが、コスパもタイパも一番効率が良いでしょう。その分野に詳しい方に選んでもらった物を買う事で、彼らが培った数十年の経験値に頼れますし、同時にその人から勉強をするという選択肢も生まれます。オンライン上であれオフライン上であれ、詳しいプロとコンタクトを取り、買い物をする。これがやはりオススメです。まさに良いお金の使い所かなと。逆にどのプロを選ぶか決める時にはネット情報やSNSがある程度参考になるはずですが、もちろん受け身100%ではなくなる以上、自分との相性などは多少手探りになってきます。

 

少し注意していただかなくてはいけないのは、頼りにするプロの年齢。今や彼らの多くはSNSもスマホも使いこなしますが、やはり感覚はSNS で育った世代とはかなり違います。なにしろあなた方以前の人々は「デジタル・イミグラント」なのですから……となると使ってるツールは最新でも、昔ながらの常識を求めてくるプロもいるかと思います。このあたりも手探りで自分と合う人を見つけてくださいね。

このように、どんな時代にも人とのコンタクトが不可欠になってくる骨董界こそ、実は今の若い世代が欲している「他の人があまり出来ない経験」に繋がっているのかもしれません。どこまで行ってもAIには支配しきれない世界であり、そこにはポテンシャルのある未来を感じます。多様性や個性を大切にするあなた方にとって、まさに貴重な分野ではないでしょうか? そうそう、社会問題にも関心の高いあなた、骨董はリサイクルの王様といっても過言ではないぐらい最強のエコですしね!

 

カッコイイ生き方を選びつつある今の若い世代にこそ、知ってほしい世界だなと、ここに来て強く思うんですよね。

 

そう、骨董は実に面白い。

 

 

◎掲載品 

志野織部澤瀉文向付 窯ヶ根窯/江戸初期

 

 

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執筆:清水喜守(古美術28 店主)

インスタグラム @artandantique28

 

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