美を知るためのブックガイド008|目利きの古美術商による「古唐津の仕事」の集大成

美を知るためのブックガイド008|目利きの古美術商による「古唐津の仕事」の集大成

このたび東京・日本橋の古美術店「上原永山堂」から、古唐津の酒器や茶道具など名品・優品を多数収めた冊子『Ko-Garatsu』が刊行された。冊子といったが、オールカラー104ページ、クロス貼りハードカバーという装幀にもこだわった立派な保存版の図録となっている。

 

 

 

 

さっそくページを開いてみると、奥高麗茶碗を皮切りに、奔放でユニークな文様の絵唐津、皮鯨、文字入りなど魅力あふれる茶碗がずらりと並び、花入、茶入、水注、手鉢、片口、向付と続き、後半は徳利やぐい呑みなど、古唐津ファン垂涎の酒器が続々と登場する。その一部は現在発売中の『目の眼』10・11月号「酒器の風景」特集でも紹介しているが、数ある掲載品のなかでも滅多に見られない筒茶碗の逸品が6点も紹介されているのは注目したい。

 

 

 

 

主人・上原伸也さんは京都の茶道具店に生まれ育ち、東京での修業を終えて独立後は日本橋に店を構え、これまで多くの優品を扱ってきた目利きの古美術商。なかでも古染付や祥瑞、美濃、唐津など桃山〜江戸初期の茶事を彩った茶道具や鑑賞陶磁を得意としてきた。
「私もこの道40年以上となりましたので、これまで扱ってお客様や美術館などに収めた道具の中から、これはと思う古唐津を集めて記録に残しておきたいと思ったのがきっかけです。その制作中に、新たに仕入れたものや、ずっと追い求め続けてやっと手に入ったものもありましたので、当初の想定以上に充実した内容になったと思います」とのこと。

 

 

 

 

古唐津は当時から人気のやきもので、70年ほどの比較的短い操業期間のあいだに相当な量が作られたため、いまも「古唐津」と銘打たれた遺品はたくさん見かけるが、発掘品から伝世品までそのレベルの見極めがなかなかに難しい世界だ。多彩で膨大な古唐津の流れの中から、上原さんの眼に叶い、本書に採り上げられた品々は〝本当によい古唐津とはどういうものか〟を見極める指標となるだろう。

 

 

 

 

本書は現在、上原永山堂にて1部 5,000円にて販売されている。
また10月16〜18日に開催される「東美アートフェア2026」において「古唐津展」が上原永山堂ブースで開催され、そこで所載品の一部とともに本書も展示販売される予定。
古唐津ファンはぜひ足を運んでいただきたい。

 

 

 

『Ko-Garatsu』

 

A5判 104頁 クロス貼上製

5,000円(税込)

問合先:03-3281-7501

上原永山堂

http://www.eizando.net/

 

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